教習所なしで最短3週間! でも、そんなに甘くない?
運転免許の取得方法として、教習所に通わずに直接試験を受ける「一発試験」があります。
この方法は、最短で免許を取得したい方や、費用を抑えたい方にとって魅力的に映るかもしれません。
しかし、その道のりは決して平坦ではありません。
今回は、一発試験での免許取得に関する具体的な内容、最短取得日数、合格の難易度、そして費用について詳しく解説します。
一発試験とは
一発試験とは、指定自動車教習所に通わず、直接運転免許試験場で学科試験と技能試験を受ける方法を指します。
「飛び込み試験」や「飛び入り試験」とも呼ばれ、教習所での教習を省略できるため、時間と費用の節約が期待できます。
最短取得日数
一発試験での免許取得は、全ての試験に一度で合格できれば、最短で3週間ほどで取得が可能とされています。
しかし、これは理想的なケースであり、実際には試験の予約状況や個々の技能習熟度によって期間は変動します。
特に、技能試験に不合格となった場合、再受験までに2~3週間の間隔が必要となることが多く、結果として取得までの期間が延びることがあります。
合格の難易度
一発試験の合格率は非常に低いとされています。
具体的な数値は公表されていませんが、仮免許・本免許ともに合格率が5%以下との情報もあります。
これは、教習所での十分な練習機会がないことや、試験官が初対面の警察官であることから、緊張感が増すことが要因とされています。
また、試験内容は厳格であり、細かなミスでも減点対象となるため、相応の準備と技術が求められます。
費用について
一発試験での免許取得にかかる費用は、以下の通りです。
仮免許試験費用
受験料:2,850円
試験車使用料:1,550円
免許交付料:1,100円
合計:5,500円
本免許試験費用:
受験料:2,200円
試験車使用料:900円
免許交付料:2,050円
合計:5,150円
これらを合計すると、試験関連費用は10,650円となります。
さらに、取得時講習費用として15,400円が必要となり、総額で26,050円が最低限必要な費用となります。
ただし、これは全ての試験に一度で合格した場合の金額であり、不合格となった場合は再受験料が追加で発生します。
メリットとデメリット
一発試験には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
-
費用を抑えられる
教習所に通う場合、一般的に30~35万円の費用がかかりますが、一発試験では全て一度で合格すれば約3万円以下で済みます。 -
短期間での取得が可能
スムーズに合格できれば、教習所を利用するよりも短期間での免許取得が可能です。
デメリット
-
合格率が低い
前述の通り、合格率が非常に低く、複数回の受験が必要となる可能性があります。 -
練習機会の不足
教習所での十分な練習がないため、実技試験での失敗リスクが高まります。 -
再受験による費用増加
不合格が続くと、再受験料がかさみ、結果的に教習所に通う場合と同等、もしくはそれ以上の費用がかかる可能性があります。
一発試験に向いている人
一発試験は、以下のような方に向いていると言えます。
-
運転経験が豊富な方
過去に運転経験があり、基本的な運転技術を習得している方。 -
費用を抑えたい方
経済的な理由で教習所に通うことが難しい方。 -
時間に余裕がある方
再受験の可能性を考慮し、スケジュールに柔軟性がある方。
一発試験に向いていない人
一発試験は、以下のような方に向いていないと言えます。
- 運転経験がほとんどない人
- できるだけ早く免許を取得したい人
- 試験のプレッシャーに弱い人
- 細かい減点を気にせず、のびのび運転したい人
一発試験合格のための対策
① 運転の基礎をしっかり身につける
試験では、基本的な運転操作がしっかりできているかが重要視されます。
具体的には以下のようなポイントを意識しましょう。
- 走行中のハンドル操作はスムーズか
- 右左折時のウインカーを適切なタイミングで出せるか
- 安全確認(ミラー・目視)が適切にできているか
- 一時停止や優先道路のルールを守れているか
独学で運転技術を磨くのが難しい場合は、一発試験対策を行っている教習所や講習を活用すると効果的です。
② 実技試験のコースを事前に確認する
一発試験の技能試験は、各都道府県の運転免許試験場で実施されます。
試験場ごとにコースが異なるため、受験する試験場のコースを事前に調べ、可能であれば実際に見学しておくのがおすすめです。
また、一部の試験場では、「試験場貸しコース」を利用できる場合があります。
これは、技能試験を受けるコースを事前に有料で借りて練習できる制度です。
本番と同じ環境で運転練習ができるため、試験対策として非常に有効です。
③ 一発試験対策の教習を受ける
独学では難しいと感じる場合、一発試験向けの「ペーパードライバー講習」や「試験対策専門の教習所」を利用するのも良いでしょう。
これらの教習では、試験官が見ているポイントや減点されやすい箇所を重点的に学ぶことができます。
特に、S字カーブやクランク、方向転換などの課題は試験での重要ポイントとなるため、しっかり練習しておきましょう。
④ 学科試験の勉強も怠らない
一発試験では技能試験だけでなく、学科試験にも合格する必要があります。
特に、普通免許を一から取得する場合(仮免許試験から受験する場合)は、学科試験の難易度も決して低くありません。
学科試験では、交通ルールや標識、危険予測などの知識が問われます。
問題集を解く、スマホアプリで模擬試験を受けるなどして、事前にしっかり対策をしておきましょう。
まとめ
一発試験での運転免許取得は、費用や時間の面でメリットがある一方、合格の難易度が非常に高く、失敗すれば何度も試験を受ける必要があるため、結果的に時間と費用がかさむリスクもあります。
また、一発試験は単に「運転ができるかどうか」を見るだけでなく、試験官が定める基準に沿った「正しい運転」ができるかどうかが問われます。
そのため、自己流の運転に慣れている人ほど、減点されやすい傾向があります。
とはいえ、十分な練習と対策をすれば、合格の可能性はゼロではありません。
一発試験での免許取得を目指す場合、以下のような準備をしておくと良いでしょう。